石叫■             「蜂の巣」

この日曜日、オレンジ郡教会での礼拝を終えてホイティア教会の礼拝のご用に出かけた。半年振りであった。その日は役員会があって出席を依頼されていたのだが、オレンジでは春の教会清掃日があり、早く帰らせていただいた。

でもその頃にはもう掃除が終わって昼食の最中であった。皆が精魂込めてしてくれたお陰で窓はピカピカ、カーペットもゴミ一つ落ちていない。そんな中で木をトリミングしていた時に突然眼の前に大きな蜂の巣があったので何もできずに降りてきたという瀬戸兄の話を聞いた。そこで良く見ると、巣は見えないが、木の枝にぎっしりと密蜂が張り付いている。その数たるや百匹は越えているであろう。私は今までにこんな大群は見たことがない。このままだともっと大きな群れになるのかと思うと、速やかにそれを除去する必要があった。

私のキャンプ道具の一つに頭からスッポリ被る防蚊用ネットがある。もちろん蜂にも仕える。ヨセミテ公園のトレールを歩いていると、時には蚊柱が立つほど、蚊が寄って来る所が何箇所かある。そういう時にはネットを被らないと至るところ蚊に刺されてしまうことになる。そのネットを使う時が来たようだ。

実は昨年暮れ、軒下にクリスマス・ライトを点けようと、梯子に登った時だった。眼の前に蜂の巣が突然現れた。十匹はいただろうか。私は一瞬たじろいだが、降りるのも面倒なので、その巣に一発パンチを食らわした。幸い全部つぶれてくれたが、チクッと軽い痛みを感じた。数日間かゆみが残ったが、それはチイと無謀であった。そこで今回は蜂殺傷用スプレーのパンチしかないと思い、翌朝、息子のスノーボード用のゴーグルを借り、ネットを被り、厚手の手袋を付け、いざ木の下に立った。でも蜂が一挙に襲ってきたらどうしよう、一度に何箇所も刺されて意識でも失なったらどうしようかと考えもしたが、ままよとばかり脚立に上ってスプレーが空になるまで拭きかけた。その刹那、蜂が大挙して飛散するかと思いきや、ほどなくして巣が溶けて大量の蜂と共にドサッと落ちてきた。そして、一旦飛び出た蜂も元の巣に戻ると残った薬のせいでそこからバタバタと落ちてきて、ほとんどがノックダウンしてしまった。

さて、どんな方法で蜂を除去しても、もし私に防蚊用ネットがなければ蜂を退治しようとも思わなかったであろう。「主はあなたを守る者」(詩篇121:5)とある。私たちを守って下さるお方が万全であるからこそ、私たちは安心して物事に対処できる。しかも守るどころではない、死に至るまでも私たちを愛し通されたお方である。この愛の神に守られることほど安心な世界はない。