石叫■        「地球に生物が存在するために」その2

 科学知識と発見が増えるに従って、月に生命が存在するという可能性は空しく消えていった。ところが最近、月は
四十万キロメートル離れた地球の安定した環境の提供に、一役買っていたことが、科学的証拠により明らかにされたのである。アイビー・リーグで教鞭をとるGゴンザレス博士のコメントである。

 「地軸の傾斜を安定させているのは月です。地軸の傾斜は、地球の四季に深く関係しています、夏の間、北半球の北極軸は、太陽の方角を示し、半年後、地球が太陽の反対側に回ったときには、南極が太陽の方角をさします。地球で、非常に穏やかな四季が実現しているのは、23.5度という地軸の傾きのおかげ。つまり、地球気候が安定しているのは、何よりも月のおかげなのですよ。でも、もし月がなかったとしたら、どうなるのかというと、地軸が大きな幅でふれ、地軸の傾斜は、数万年という時間の中で、ゼロから85度というとてつもない変化を生じ、壊滅的な結果をもたらすことになります。その場合、北極は丸半年太陽にさらされ、一方南極は真っ暗闇になります。残りの半年は、これと逆になります。しかし、実際には地軸のずれはわずか1.5度程度。月の軌道による重力のおかげで、地軸の傾きが安定するのです。月は地球の衛星にしては大きいのですが、これは太陽系の中でも珍しい傾向です。水星と金星には衛星がありません。火星には、捕獲された小惑星と思われる非常に小さい衛星が二つありますが、火星軸の安定には一切関与していません。火星軸の傾斜は、現在地球のそれに近いものになっていますが、実は大きな幅で揺れています。水星、金星、火星のいずれも、その軸の傾斜角度における変化には何の秩序もありません。月が今より大きかったとしたら、地球の回転スピードがずっと遅くなり、日中が非常に長くなる。結果、昼夜の温度差が激しくなるという問題が発生します。潮汐においても月は重要な役割を果たしています。潮汐は、大陸から海洋へ栄養素を流し出す重要な働きがあり、地球がこれほど栄養素豊かなのも、潮汐のおかげです。月は適度な大きさで、正しい位置に存在していたがために、地球の生命体に適した環境が整えられているのです」。

 「あなたは万物を造られました。御旨によって、万物は存在し、また造られたのであります」(黙示録4:11)と
あるが、今、私たちがあるのは、私たちがこの自然を見て神を思い、その神に信頼するためだったのである。

その創造主なる神を誉めたたえることこそ、人類の変わらぬ務めでなければなるまい。