石叫■               「新川レポート」 その@

この3日に北京在住の新川誠宣教師が十二年ぶりでロサンゼルスを訪ずれて下さった。
ターミナル2の国際線ゲートから出て来られた痩身の先生は、ウェーブのかかった短髪が黒々として
白髪のかけらも見られない。元気そのものだ。


今回の旅は、北はシアトルから東はフロリダに至るまでの40日間にわたる北朝鮮、中国の宣教報告だ。
さっそく翌日には近くのパンダ・レストランで歓迎会をする。店の料理担当者と中国語で話す先生を見て、
何だか私たち自身が中国に居るのでは! という錯覚を覚えたのは実に不思議な経験であった。

土曜日はゴスペル・ベンチャー・インターナショナル・チャーチで「福音学校」が新川先生を主講師として
開かれ、70名以上の参加者があった。
近年にはない多くの出席者であり、久しぶりでお会いする牧師たちも居られて、随分と盛況であった。
現地報告をプロジェクターで見ながら、特に北朝鮮の悲惨な状況には心が痛んだ。

食料事情がひっ迫しているため、十代後半の青年たちの身長が小学校高学年の児童にしか見えない。
2千万の人口のうち、5百万だけが政府の恩恵を受けているだけで、その他の人々は飢餓状態にある。
それだから国境警備隊に賄賂を使って中国にわたり、食料を徴収してまた再び戻って来るという人々が
後を絶たない。

でも、折悪しく中国側で捕まってしまうと、やがては北朝鮮に戻されてしまう。
それは死刑を意味する。
そういう人々は釘や石を飲み込んで自殺を図ったり、国境の川、鴨緑江に飛び込んだりするという。

以下は福音学校での情報だ。
「北朝鮮で宣教活動をしていたソン氏は北朝鮮人民軍幹部の息子として生まれた。
裕福な環境で育ったが、妻が金正日総書記の食糧難対応を批判したとして逮捕。
妊娠中の妻は流産してしまい、その後ソン氏は中国へ脱出。そこで脱北者を支援する宣教師らと出会い、
キリストを受け入れた。その後再び北朝鮮へ戻り、宣教活動を行ったが逮捕されて死刑判決を受けたという。

北朝鮮ではキリストを信じるだけで殺されるほど厳しい」。

エレミヤ書に、「わたしの目は夜も昼も絶えず涙を流す。わが民の娘であるおとめが大きな傷と
重い打撃によって滅ぼされるからである」(14:17)とある。
これは2700年も前のイスラエルのバビロン捕囚を意味しているのだが、時代を超えて今も神は涙を
流しているというメッセージだ。新川先生はその神の痛みを脱北者を通して見て来られた。

その涙を一日も早く主がぬぐい取って下さることを信じて、私たちに何か出来ることをさせていただきたいと、
心から願うものである。