石叫■          「弁護士試験」 その二

そんな中で杉村先生からクリスマス・スキット参加の誘いがありました。寝る間も惜しいという時期でしたが、なぜか絶対に出たい、と強く思いました。
本番当日、一生懸命覚えたセリフが突然出てこなくなり、頭が真っ白になりましたが、シメオンの役をなんとか果たす事ができました。

その夜、突然、五年前に最後に試験を受けた時の生々しい感覚が蘇ってきました。それはまさしく今日のスキットでせりふを忘れた時と同じ状態でした。
神様はスキットを通して、私にこう語ってくださったのです。

「わが子よ、試験本番の時にも今日と全く同じように、頭に何も浮かばない状態が必ずやってくる。でもその時に、貴方は教会の中にいて、私の守りの下にあるのだ。
だから恐れる事はないのだよ」

そして、この確信を試験当日にまた体験する結果となりました。試験は二日間で各六時間、気力と体力の勝負です。初日の午後、残りあと二十分というところで、
それまで書いてきた答えが間違っている事に突然気がつきました。まずいと思った時、気が付いたらペンを置いてお祈りしてました。

「心を尽くして主に信頼せよ。自分の知識に頼ってはならない。全ての道で 

主を認めよ。そうすれば主はあなたの道をまっすぐにされる」

というソロモンの箴言三章五―六節でした。お祈りを終え「ふー」と深く深く深呼吸して目を開けると穏やかな気分になりました。あの時の心の平穏は、
とても言葉で説明できるようなものではありません。そして制限時間内に間違いを直し、残りの問題も全て解く事ができました。

二日目の試験は、気が付いたら一時間に一度くらいペンを置いてお祈りしながら試験を受けていました。試験が終わった時に、自分の手が濡れているのに気づきました。
どうやら知らないうちに泣いていたようです。それをみた試験管は、「心配するな。もう終わったよ」と声をかけて来ました。
試験が出来なくて泣いてしまったのだ、と思ったのでしょうね。私は、「違う、ただ試験を受けられた事を主に感謝していただけです」と答えました。

 試験の結果はまだ分かっていませんが、私にとって感謝だったのは、あの苦しい状況にあっても神様を忘れず心の平穏を保てたことです。
先週杉村先生が言われたように、頂いたみ言葉を信じきる事ができた事です。「神の言葉は生きていて力がある」。まさしくその通りです。主よ感謝します。