◎石叫■ 「信頼と信仰」

先日もご紹介したが、京都で開拓伝道をしておられる森本英治氏の著に「結び目に愛を」という書がある。
そこにとても心に響くコメントがあった。

俳優であり、歌手である加山雄三氏が書かれた「僕の子育て実践記・この愛いつまでも」が八十万部を突破したと
いうことです。いかに、子育ての問題に助けを必要と覚えておられる方が多いかと思います。
その続編の中で、ご自分の長男の信宏君の子育て苦闘記を記しておられます。彼は早産で、未熟で生れてきた
ハンディキャップがあり、主治医の先生から「みんなと足並みが揃うのは、小学校五年生ぐらいまでかかるかもしれません。
それまで気長にしていかないと、この子が可愛そうですよ」。そのような烙印を押された経過がありました。

実際に、学業が始まってからでも、百点満点の国語の試験で五点をとってくるという時もあって、親の方が真剣に悩まれる
という時もあったようです。しかし、じっとこらえて忍耐をもって励まし、見守り続ける五年間を過ぎた後、彼の成績が彼なりに
伸び始めたことを、先生が報告してくれるほどになりました。そして、六年生の二学期になると、算数では、一番できる子より
一点上だったと、大喜びして帰ってくる程になりました。それには、色々な苦労話しがあるのですが、
加山氏のされた一つのことは、ことある毎に愛の暗示を彼のために告白し続けてこられたというのです。

「今は、あんまり良くないかもしれないけれど、おまえは五年生位になったら、グーンと必ず伸びる」。そんな告白でした。
彼は、それを暗示と言っていますが、私は、それは信宏君への「信頼の告白」だったと理解します。

親が子供に励ましを与え続けるというのは、とても大きな力となるという一つの証しであるが、聖書の中にはそのような
励ましが満ちている。

その一つに主イエスがペテロを励まして言った次のような言葉がある、
「あなたの信仰がなくならないように、あなたのために祈った」(ルカ二二章)。

主はペテロの裏切りを知っていた。そしてあえなく十字架上で死んで行く。それでも主はペテロを恨みはしないばかりか、
むしろ、そこから立ち上がって、信仰をふるいたたせ、人々を救いに導いて欲しかったのだ。実はその同じ励ましと信頼とが、
あなたにも与えられている。それによって周りの者にもあなたと同様な励ましを与えるためである。
考えてもみよ、神である主イエスご自身があなたのために祈っておられるとしたら、一体どんなに大きな力であり、
励ましであろうか。そのお方への信頼こそが信仰である。