◎石叫■            「信仰の華」

ロサンゼルス、リンカーン・ハイツの敬老ホームに二〇〇五年の十月から入居していた
敬愛する杉原小菊姉が、先週の四月二一日(水)の午後、心から愛する主イエス様のみもとに
凱旋して行かれた。百三才の天寿のまっとうであった。この数週間、肺を弱くしておられ、
水が溜まっているというので一度病院に入院してはいたのだが、敬老ホームに帰った後でまた
再び水が溜まり、その手当てに取りかかろうとしている最中であった。

感謝祭やクリスマスなどには何人かの教会員と一緒に敬老ホームを訪問するのだが、
訪問する方々の名前を一人一人呼ばれてはその記憶力の確かさに驚かされたものである。
姉妹は聖歌や讃美歌などの多くをそらんじていて、楽譜を見なくても歌える姉妹であった。
そんな姉妹には訪問の度毎に逆に励まされ、心豊かにされて帰ってくるのだった。

小菊姉妹は京都生まれで十七才の時に渡米された。ご長男のマサさんのサンデー・スクールの件で
ロサンゼルス教会と関わり、やがて洗礼を受けられたのは一九三六年のイースターのことであった。
葛原定市師よりサンゲーブル川で受け、その信仰生活の大半をロサンゼルス教会で過ごしている。
オレンジ郡に移ってからは、特に敬老ホームに入られる前の数年、腰を痛めていたこともあり、
教会に来るチャンスもあまりなかったのだが、折あるごとにご次男のジェームスさん宅の彼女を訪ねると、
「感謝でもったいないことです」と、これまでの歩みを振り返っては主を賛美しておられたのである。
百才を超えてもなおその信仰は揺るがず、現役で礼拝出席する最後の一世としての牙城をしっかりと
守って来られたのである。しかも召される最後の日まで記憶がしっかりしていてその信仰は揺るがず、
彼女のまっすぐにのびた姿勢のように彼女を支え続けて来たのだった。

その彼女の拠って立つみ言葉が、「あなたがたがわたしを選んだのではない。わたしがあなたがたを選んだ。
そして、あなたがを立てた」(ヨハネ十五章)であった。信仰によって神に導かれ、神を感謝をする日々に
変えられた生涯であった。それはちょうど姉妹の百才を記念して教会の庭に植えたピンク・クラウド
という名の桜にも似ていた。その信仰によって周りの者を慰め励まし、そして聖霊の風に乗って散っていった
生涯であった。それは信仰という大輪の華を咲かせた美しくも凛とした生涯であった。